まなさん 065

「私の出産」～母から子へ伝えたい言葉～

第2回ぐるっとママ懸賞作文

まなさん 065 [私の出産]

ありがとう、ありがとう、ありがとう、、、
産まれ来てくれててありがとう

私を母にしてくれた3人の息子たちへ
ママを選んで産まれて来てくれてありがとう。

1人目を選んできてくれたあなたは、4キロのビックベビーでした。
ママは、初めての妊娠出産で、嬉しい気持ちと不安な気持ちが混ざり合って、ネットや本でたくさんの赤ちゃんの情報を集めました。張り切りすぎてちょっと食べ過ぎて病院でも注意されました。でも、とってもとってもあなたがお腹に来てくれたことが嬉しかったんです。
予定日を過ぎて一週間、やっと陣痛が来たのだけど、なかなかお産が進まず、頭の半分まで出かかったのだけど、肩が引っかかって、緊急帝王切開で丸々2日かけて産まれてきました。
痛いのや苦しいのなんて一瞬で忘れるくらい可愛い赤ちゃん！ドキドキビクビクしながら抱っこしました。なんていい匂いで、なんて可愛いんだろうと、眠れない夜もなんのその、あなたがおっぱいを吸うたびに愛おしくなる日々でした。

2人目を選んできてくれたあなたは、自然分娩に一緒に挑戦しようしたけれど、直前で予定帝王切開になり無事産まれて来てくれました。自然分娩に挑戦できなかったことがとても残念だったのだけど、産まれて来てくれたあなたの顔を見て抱っこしたら、そんな気持ちは一瞬でなくなる程に可愛い赤ちゃん！お兄ちゃんにも抱っこされて、お兄ちゃんが嬉しそうに照れ笑いしたことを良く覚えています。

3人目を選んできてくれたあなたは、最初から予定帝王切開で、産まれてくる日を病院と相談しました。でも、手術当日の朝、陣痛がはじまって、少し早めの手術になったのです。それでも無事に産まれて来てくれました。不思議と陣痛にも手術にも一切の不安がありませんでした。あなたは自分で産まれる日を選んでたんだなって嬉しく思っていたのです。コロナ渦だったのであなたと2人きりだったけど、それでも一切不安もなく、抱っこおっぱいねんねの繰り越しを味わって穏やかに過ごしました。お兄ちゃん2人は、お家であなたが帰ってくるのを待って待って、すっ飛んで出迎えてくれたんですよ。赤ちゃん可愛い可愛いって、まだ赤ちゃんに近いお兄ちゃんが小さな手で抱っこする姿がとっても嬉しかったです。

1人目の赤ちゃんの時は、どこか理想の出産みたいなものがあって、周りの情報に合わせて外ばかりを見ていました。外側の世界や情報の世界、こうでありたい未来を追っていた気がします。陣痛も緊急帝王切開も何がなんだかわからないうちに終わってしまいました。2人目の赤ちゃんの時は、前回できなかった自然分娩をと張り切っていたけれど、結局予定帝王切開になり、落ち込みはしましたが、切り替えて腹を括るのは早かったです。過去の出産でできなかったことのに拘るのではなくて、今に目を向けて出産しようって直前で決めました。3人目の赤ちゃんの時は、未来や過去に縛られることなく、今ここに集中して全ての時を過ごしました。陣痛がきた朝も手術に入った時も、一瞬一瞬を手にとるように出産できたと感じました。

どの出産も、良い悪いではなくて、赤ちゃんからの温かい母へのメッセージが込められていると心から感じています。3人の息子達が、3人で力を合わせて、私を母にしてくれました。妊娠出産も子を育てることも、期待や不安は必要なくて、今この時を一緒に味わうだけでいい、何かしてあげるとかじゃなくて寄り添うだけでいい。

どんなに怒鳴って怒って、母として失敗反省することばかりだけど、次の瞬間には、ママ大好きって抱きついて来てくれる、母を許してくれる、愛しい3人の息子たち。未来や過去は今、今の積み重ね。あなた達との今この時を心から味わって、お腹から出てきた時のように、母の手を必要としなくなる時まで母でいさせてください。

産まれて来てくれて心からありがとう。
ありがとう、ありがとう、ありがとう、、、。

母より