山中 真奈:頑張るシングルマザーを住環境から応援する志事 [志事] [志事] | 誰かの役に立つ「志事」の素晴らしさ

魅力的に働く大人を取材し、未来を生きる子どもたちに伝えたい 誰かの役に立つ志事の素晴らしさについて語っていただきました。

誰かの役に立つ「志事」の素晴らしさ

2023.12.20

山中 真奈:頑張るシングルマザーを住環境から応援する志事 [志事] [志事]

ーシングルズキッズたちを楽しくHAPPYにー


■ひとり親家庭が孤立しないシェアハウス

私は“ひとり親家庭で育つ子どもたちを住環境からハッピーにする”というミッションを掲げ、民間企業としてシングルマザー向けのシェアハウスを約6年半ほど運営しております。東京でバリバリ働くお母さんの助けとなり、子どもたちが孤独にならないようなシェアハウスを“下宿”という形で始めました。

2017年にシニア同居の地域開放型のシングルマザー下宿として、東京都世田谷区に“MANAHOUSE上用賀”をオープンしました。平日は毎日夕飯を提供し、無料で保育園へのお迎えも行い、夜8時まではお子さんを見守るといったサービスも付けています。

現在は首都圏に6棟ほど運営し、世田谷には他にもペットや母子家庭、単身女性が住めるハウスもあり、千葉県市川市には児童養護施設で育った子どもたちの退所後の住まいをサポートする団体と共に運営しているハウスもあります。また、板橋区・豊島区・三鷹でもハウスを運営しております。全て個室があり、キッチンやお風呂などは共有するシェアハウス型をとっておりますが、今後はアパート型も増やしていきたいです。


■シングルマザー向けシェアハウスの現状

シェアハウス業界でシングルマザー向けに運営を継続するのは容易なことではなく、この事業を始めても「儲からない」「大変だ」という理由で辞めてしまう事業者が多いのが現状です。

親子が抱える問題はとても根深く、中には福祉施設の方が合っている方もいらっしゃいますが、事前面談でそれを見極めることはとても難しいです。入居後のトラブルも多様なため、それに対応するスキルも必要となり、時間も取られてしまいます。また人との暮らしに不安を抱える人も多く、特に地方は入居者がなかなか決まらず採算が取りづらい面もあります。

そのような中で、私は利用者の方と一緒に住みながら運営をしております。現場で一緒に暮らしてきたため、様々なトラブルに遭遇し失敗もしてきました。決して簡単な仕事ではありませんが、不動産会社に勤めていた経験とこの6年半の中で培ってきた実体験を活かして問題解決をしながら、運営を継続することができています。

この事業を始めた動機のひとつとして、虐待や離婚によって子どもがたらい回しになるなど、大人の理不尽な都合に罪のない子どもたちが巻き込まれて、最悪な場合は命を落としてしまうことに私は納得ができず「何とかしたい」という思いもあり、全てが重なって今に至っています。



■夢を叶えるために

私は、子どもとお酒と不動産が好きです。将来の夢として、40代で鎌倉のような海が見える所に子どもやお年寄りや保護した犬猫とみんなで暮らせる大きな家を作り、朝から庭の芝生で海を見ながらビールを飲む姿を20代から思い描いてきました。そして、それを叶える方法を考えながら事業を作り「資産家になりたい」という目標ができました。地主さんや大家さんと関わる中で、時間に自由のある方が多かったため、実現可能な目標として目指しています。

また私の大切にしている価値観として「縛られずに自分の好きなことをしたい」というものがあります。大好きな子どものことであっても、助成金を貰うことで縛りができて不自由になるよりは、不動産で収益を得てボランティアベースで自分の好きにできることを目指しています。


■住環境を整える志事の素晴らしさ

この事業を通じて子どもたちの笑顔を見れることが喜びです。内見の時には笑顔が無かった幼い兄弟が、ハウスに来ることで環境が変わり、泣いたり笑ったりわがままを言ったりと子どもらしい姿を見せてくれるようになると嬉しくなります。

虐待を受けた若者やDVで傷ついたお母さんが、入居者同士のコミュニケーションを通して元気になっていく場を作れたのではないかと思っています。私が全てをやらなくても、環境と構造によって人の暮らしや考え方は変わる、気づきや成長は環境次第だと思いますので、そういった場所を作ることができることはこの仕事の素晴らしさだと思います。



■住まいに関するきめ細かい仕事は、AIにはできない

衣食住は暮らしのベースであり、住まいは根幹だと思います。これからの日本は、高齢の地主から世代交代して相続したり、空き家を引き継ぐ次の世代が出てきます。土地の境界線や利権関係などの歴史を聞いていくこと、特に高齢の所有者とのやり取りはAIには絶対に出来ないことだと考えます。

私はシェアハウスを増やしたいのではなく、子どもがハッピーになれる環境を作りたいのです。地域の人をつないだり、人の想いを継いだりすることは、この先もずっとなくならないと思います。


■頑張る親御さんや将来を担う子どもたちへ

社会には様々な人がおり、相性の良し悪しはあります。心が傷ついている状態で行政の窓口へ行った時に、職員の対応が悪いと諦めてしまいがちですが、自分に合う人・良い人は必ずいます。狭い世界でそれだけが全てと思わずに、環境を変えて様々な人と出会ったり、たくさんの場所に行って自分の人生に合うものを見つけてほしいです。良い人はいますので、諦めずにお母さんも子どもたちも周りの人に頼ってほしいです。



山中 真奈
シングルズキッズ株式会社 代表取締役
10代でギャル・ギャルサークル・キャバクラ・引きこもりを経験後、20歳で某FC不動産会社にて4年間従事、2015年独立。 不動産仲介・保育園開設支援・こどもに想いのある大人が繋がるプロジェクトなど活動後、2017年3月より『シングルズキッズ(=ひとり親で育つこども)を楽しくHAPPYに!』をミッションに、世田谷区にてひとり親とこども、シニアが同居する下宿事業を企画開始。2017年6月に”管理人常駐・地域開放型・シングルマザー下宿MANAHOUSE上用賀”をオープン。自身も同居しながら経営中。他にもペット×母子家庭のハウス、児童養護施設出身の若者×母子家庭のハウスを運営。2024年、東京都三鷹市にて母子家庭とシニアが最期まで暮らせる“みたか多世代のいえ”をオープン予定。

シングルズキッズ株式会社のHPはこちら



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