まむにさん「大切なあなたたちへ」 | 第1回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第1回ぐるっとママ懸賞作文

まむにさん「大切なあなたたちへ」

『いつか反抗期になって「くそばばあ」と呼ぶ頃にも、これを読んで少しはお母さんのこと見直してくれたらいいな。』
 

はる。ひろと。

お父さんとお母さんのところに生まれてきてくれて、本当にありがとう。こんなにもかわいい子どもたちに恵まれてお父さんとお母さんはとっても幸せだよ。

これはいつもあなたたちの寝顔を見つめながら、お母さんが思っていること。起きているときは怒ってばかりなのに、やっと寝てくれた後のその無防備な寝顔を見ると、とたんに心から溢れてくる。

ずっと横にいて見つめていたい。その温かい小さな手を握っていたい。何回もほっぺにチュッてしたくなる。いつもいつもそう感じているよ。

あなたたちがお腹の中にいるときは、お母さんの体がまるで自分のものではなくなったみたいに毎日色々な変化があったよ。
始めはつわりもひどかったけど、それが嫌だと感じなかった。妊娠中でないときは、胃腸炎のたった数日の吐気はとても苦痛に感じていたのに、数ヶ月間毎日吐いたり気持ち悪くなるつわりは大変だったけど苦痛じゃなくて、不思議だなと思った。
自分の体は神様からの大切なものを預かっていると、そんな感じがしていた。妊娠はわからないことだらけで、この子を何とか守っていかなきゃと、いつもささいなことでもネットを検索したり、本を調べたり、一生懸命だった。

毎回の妊婦健診が楽しみで待ち遠しくて、あと何日と指折り数えたよ。妊婦健診のたびに、どのくらい大きくなったのか、エコーにはどんなポーズで写っているのか、ちゃんと無事に育っているか、性別はもうわかるのかな。毎回色々な気持ちを胸に産婦人科に向かって、帰り道はいつもうれしくておばあちゃんに報告の電話をかけていた。
 

健診のたびにお父さんが一緒に付き添ってくれて、毎回お腹の中のあなたたちが無事に育っていく喜びを2人でかみしめていたんだよ。

あなたたちは2人ともお腹を元気いっぱいに蹴っていて、きっとわんぱくな子なんだろうなと想像していた。
蹴る回数が少ない日は、ちゃんと元気でいるのかなととても心配になった。お父さんは毎晩お腹に話しかけてキスしていたんだよ。

 

生まれてくるときは2人とも帝王切開だったね。お母さんは手術台の上で、それまでの人生の中で一番緊張していたし、ガクガク震えていたよ。ちゃんとお腹の子が無事に生まれてきてくれるように心からお祈りした。
生まれて最初の泣き声を聞いたときは心の底から安心して涙がこぼれた。

 

初めてお顔を見た時は、やっと会えたことがうれしくてうれしくて。この子が今までお腹の中に入っていたの?と不思議な感覚だった。

生まれたばかりの小さな小さな命をそっと腕の中に優しく抱っこして、これから大事に大事に育てていこう、何があっても守ってあげなきゃと感じた。
 

あなたたちは2人とも、お母さんの帝王切開の傷跡を見て「ぼくここから生まれてきたの?」ってうれしそうに聞いてくれるよね。

お母さんはそれがうれしく思えるし、何より2人が無事に外に出てこれたことを、この傷跡に「ありがとう」って思う。

今はあなたたちはやんちゃ盛りで、お母さんは普段は怒ってばかりなんだけど、本当はこんなにも2人のことが大切なんだよってことがこの作文で伝わったらうれしいな。
 

大好きなはるとひろと。

これからもずっと元気で幸せに大きくなっていってくれることを心から願っているよ。
 



青森県 まむにさん
題名:大切なあなたたちへ
子どもへ伝えたい言葉:「いつか反抗期になって「くそばばあ」と呼ぶ頃にも、これを読んで少しはお母さんのこと見直してくれたらいいな。」